顎関節症

顎関節症

顎関節には、身体の他の部分の関節に見られないいくつかの特徴があります。
顎関節の構造と動き方

●少し開いています。
◎顎の開閉(回転)
耳の前に手をあて、手をそのままにして口を開けたり閉めたりすると骨の端(下顎骨関節頭)の動くのがわかるでしょう。関節を軸にして回転する動き方です。

●前に突き出しています。
◎顎の移動(滑走)
あごの関節は開閉のほかに顎を移動(滑走)させることができます。「イーだ」とやるときのように前や左右にも突き出すことができます。最大に開口するときは、顎の回転と滑走が両方おこっています。
(1) 顎関節は左右一対になっていて、その一対の関節が強調して動くこと。 
(2) スムーズな動きができるようにベアリングのような役目を果たす関節円板という弾力性のある軟骨が介在していること。 
(3) 顎には咬合(噛み合わせ)機能をもつ歯という独特の器官があること。
(4) 他の関節は回転運動だけだが、顎関節は口を大きく開けるために回転運動と同時に前方滑走運動を行う。
(耳の前方に指を当てて口を開いてみると“力こぶ”のように出てきますのでよくわかります。)

このように他の関節にはない複雑な動きをする顎関節は、神経や筋肉のコントロールでうまく調和を保ちながら動いているのですが、その調和が崩れるとさまざまな障害がでてきます。
顎関節症の症状で代表的なものに、下記の(1)〜(3)までのようなものがあります。

顎関節症の顎の動き方
復位性の転位 円板がずれたり戻ったり
非復位性転位 ずれたままになっている
●かるくかんでいます。
◎あごの関節(顎関節(がくかんせつ))
動く骨(下顎骨(かがくこつ))の左右の端(関節頭(かんせつとう))、その部分を受ける頭蓋骨のくぼみ(下顎か(かがくか))、関節円板(かんせつえんばん)などで構成されています。
(1) 顎を動かすと顎関節や周囲の筋に痛みが生じる。
(2) 口を開けたり閉じたりする際に雑音が生じる。
(3) 口を開けようとしても関節がひっかかっていて開きにくくなったりする。(開口障害) 
             ↓
これらの症状を総称して顎関節症といいます。
これらの症状と一緒に肩こり耳鳴り頭痛などが誘発されることもあります。

顎関節症をひきおこす原因:顎関節症は次のような要因が複雑に影響しあって発症するといわれています。 (原因の一つには頭部の外傷によるものもあります。) 
1) 関節円板のズレ、損傷など
2) 歯の咬み合わせの異常
3) 咀嚼筋の緊張・けいれんなどの異常
4) 咀嚼筋を制御する神経機構の異常
5) 歯ぎしり、くいしばり、ほおづえなどの悪い習癖による顎関節の持続的な過重負担
6) 精神的なストレス、心理的要因による咀嚼筋の過度の緊張亢進
7) その他、全身的な不調、異常による筋の緊張・けいれん
などです。
   

人間の顎は小さくなっていく傾向にありますが、現代人、特に若者は噛む必要があまりない柔らかいもの(ファーストフードなどの加工品)を多く食べるようになったため、顎の発達が悪くなってきているといわれています。
そのようなことからも顎関節症はある種の“文明病”なのかもしれません。 

 
スプリント療法

咬み合わせに起因する場合などの顎関節症の治療には、咬み合わせを正しくするため、関節円板の動きをスムーズにするためのマウスピースのような咬み合わせを均等にかつ挙上するための装置を口に入れる“スプリント療法”が一般的です。
スプリント療法によって、関節円板の炎症が緩和され、動きがスムーズになり口を大きく開けることができるようになります。
他の要因に起因する場合は外科的矯正的精神科的な治療を組み合わせて行うことがあります。

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